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【第9話】絶望から編み出した「勝利の方程式」——AIを真の相棒にする方法

すべてが壊れてしまった夜、実はもう一つ、恐ろしい事態が起きていました。

TubeLingoの開発が進み、一つのファイルのコード量が膨大化していく中で、Geminiが処理しきれず、 「重要なコードを勝手にどんどん削除して出力する」 という現象が起きていたのです。

私はそれに気づかず、「AIが出してくれたから完璧だ」と信じ込み、そのままGitでCommit(保存)していました。結果、様々な処理が連鎖的に動かなくなってしまったのです。後で気づいた時は、すでに手遅れ。どこが消されたのかすら分からない状態でした。

「もうダメかもしれない……」

一瞬心が折れかけましたが、私は根気強くここでまた仕切り直す決意をします。

「AIは魔法の杖じゃない。私が正しくリード(管理)しなければ、ただ暴走するだけの機械になってしまう」

これ以上、自分の時間とコードを無駄にしないために。絶望の淵から這い上がり編み出した、私なりの 「AI開発・勝利の方程式」 です。

自信に満ちた表情で、整理されたコードブロックをAIとパソコンの間で手作業で構築していく40代のイラスト

魔法使いではなく、プロジェクトリーダーとしての自覚

勝利の方程式1:プロジェクト専属の「GEM」を作る

まず、TubeLingo専用の「GEM(カスタム指示を持ったAI)」を作りました。自分が今作っているアプリのファイル構成(Tree)をコマンドで抽出し、それをGEMに読み込ませて「あなたはこれらのファイルを管理する熟練エンジニアです」と定義づけました。(ちなみに、このGEMに設定する指示書自体も、すべてGeminiに相談して書いてもらいました)

勝利の方程式2:AIの限界を知り、コードを分割する

勝手にコードが消される現象を防ぐため、私はGeminiに直接 「あなたが安全に処理できる限界の行数はどれくらいですか?」 と確認しました。 そして、その限界を超えそうに膨れ上がっていた巨大なファイルを、AIが処理しやすい適切なサイズに分割するようお願いしたのです。この「AIの胃袋のサイズに合わせる」という発想が、その後のシステムの安定化に大きく貢献しました。

勝利の方程式3:徹底した「全文コピペ」の儀式

そして、AIに勝手にコードの断片をいじらせるのを一切やめました。今は、どんなに小さな修正でも以下の 「厳格な手順」 を守っています。

  1. 【私】 要件(やりたいこと)を伝える。
  2. 【GEM】 修正が必要なファイルを特定し、「〇〇のソースコード全文をください」と私に依頼してくる。
  3. 【私】 言われた通り、ファイルの全文をコピーして渡す。
  4. 【GEM】 修正が完了したソースコードを「全文」提示してくる。
  5. 【私】 それをVS Codeに丸ごとコピペして上書きし、動作確認をする。

この方法に変えてから、開発は劇的に安定しました。今でも時折トークンが切れてAIがポンコツになることはありますが、「こまめなCommit(セーブ)」を徹底しているため、最悪の事態は防げています。

あえて「泥臭く」いく理由

実は、VS Codeの拡張機能(Clineなど)を使えば、こんな面倒な手順を踏まずとも、AIが直接エディタのコードを書き換えてくれるそうです。一度試してみたのですが、うまくいかずに挫折しました。

でも、今のところはしばらく、この「手作業のコピペ方式」で行こうと思っています。

自分がどのファイルを渡し、どう書き換わったのかを、一つ一つこの手で確認する。この泥臭い作業こそが、コードも読めなかった私に「システム全体の構造」を教えてくれている気がするからです。


🍳 【今日のAI開発レシピ】

  • 技術難易度: ⭐⭐⭐☆☆(システムを整理整頓する)

今回は、巨大化したシステムをAIが処理しやすく整理する「大掃除」のテクニックをご紹介します。

1. 「リファクタリング(コードの分割)」とは?

リファクタリングとは、アプリの「見た目や機能」は変えずに、「中身のコードの書き方」を綺麗に整理整頓することです。何でもかんでも1つの巨大なファイル(引き出し)に詰め込むと、AIも人間もどこに何があるか分からなくなります。それを「ログイン用」「表示用」など、適切なサイズのファイルに小分けにする作業です。

2. どうやったの?

私はコードが勝手に消される現象に直面した際、AIを責めるのではなく、AI自身のスペックを確認しました。

実際のやり取り: 私「あなたが安全に処理(理解・出力)できる限界の行数はどれくらいですか?」 Gemini「安定して処理できるのは〇〇行程度です。」 私「では、この巨大なファイルを、あなたの限界を超えないように、いくつかのファイルに分割(リファクタリング)してください。」

このように「AIの胃袋(処理能力)のサイズ」を直接本人に聞き、それに合わせてコードを切り分けたことで、AIの「記憶喪失」や「勝手な削除」を劇的に減らすことができました。

3. 読者の皆様へ

AIが急に的外れな回答をするようになったり、文章を途中で途切らせたりするようになったら、それは「一度に処理させる量が多すぎる」サインです。そんな時はぜひ、「一度にどれくらいの情報量なら正確に処理できますか?」とAI自身に尋ねてみてください。自分専用のAIの「取扱説明書」を手に入れることができますよ。


予告:駆け抜けた1ヶ月。私たちが手にしたもの

技術の壁、資金の壁、そして自分自身の知識不足の壁。 数々の絶望を乗り越え、ついに私なりの「勝利の方程式」を確立し、TubeLingoは安定して動き始めました。

朝6時の「運命の5分間」から始まった、AIとの濃厚な1ヶ月。 エンジニアでもない40代の私が、この挑戦の果てに見た景色とは。そして、言葉の壁を越えるアプリは、家族にどんな変化をもたらすのか。

次回、【第10話】エピローグ:AIと走り抜けた1ヶ月の軌跡。 いよいよ最終回です。お楽しみに!

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