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【第6話】魔法からの卒業——意地と徹夜のローカル環境構築、そして「2つの絶望」

bolt.newという魔法の杖を使い、わずか24時間で世界へサービスを公開した私。しかし、その高揚感はすぐに「焦り」へと変わりました。

ボタンの色を変える、レイアウトを少し直す。そんな些細な調整をするだけでも、bolt.newのクレジット(利用料)は恐ろしい勢いで溶けていきます。「このままでは破産する」。そう悟った私は、魔法の杖を手放す決意をしました。

「0から1を生み出すフェーズでは、bolt.newは最高のツールだ。でも、1を10にする細かな調整には限界がある」

私はGeminiに相談し、自分のパソコン上に開発環境(ローカル環境)を構築することにしました。ここからが、終わりの見えない「意地と徹夜の戦い」の始まりでした。

深夜の暗い部屋で、パソコンの黒い画面(ターミナル)に向かって疲労困憊しながらも必死にタイピングする40代のイラスト

終わりの見えない、黒い画面との徹夜の戦い

Geminiに一つ一つ手順を教えてもらいながら、「VS Code」というプロのエンジニアが使うエディタをインストールしました。そして、黒い画面(ターミナル)に、Geminiが言う通りのコマンドを打ち込んでいきます。

自分が何の呪文を打ち込んでいるのか、全く理解していません。「頼む、動いてくれ」と祈りながらエンターキーを叩く日々。相変わらず、眠れない夜が続いていました。

そして直面したのが 「2つの絶望」 でした。

【絶望その1:環境変数の謎に消えた24時間】 ローカル環境への移行で最大の壁となったのが、「APIキーの隠蔽」でした。AIの機能を安全に使うため、パスワードのようなものであるAPIキーを「環境変数」としてサーバーに登録しなければなりません。

しかし、これがどうしても動かない。Geminiに何度聞いてもエラーが消えません。丸1日を費やし、心身ともに限界を迎えた頃、原因が判明しました。

「環境変数の名前が悪かった」らしいのです。名前を変えただけで、嘘のようにあっさり動きました。なぜその名前がダメだったのか、いまだに真相は分かりません。プログラミングの理不尽さを骨の髄まで味わった瞬間でした。

【絶望その2:デプロイ貧乏】 ローカル環境でなんとか修正したものを、再び世界に公開(デプロイ)する。しかし、ここでもエラーが連発してデプロイできなくなりました。

後になって知ったのですが、サーバーにデプロイする作業自体にも、固定のクレジットが消費されていたのです。 「自動じゃなくて手動で公開しても、お金がかかるのか……」 私は震え上がり、デプロイの頻度を極端に減らさざるを得ませんでした。


🍳 【今日のAI開発レシピ】

  • 技術難易度: ⭐⭐⭐☆☆(コピペだけでは進めない壁)

今回は魔法のツールを飛び出し、プロと同じ土俵でAIと対話する泥臭いプロセスをご紹介します。

1. 「ローカル開発環境(VS Code)」とは?

AIが用意してくれた魔法のキッチン(ブラウザ上のツール)を卒業し、自分のパソコンの中に「自分専用のキッチン」を作ることです。そのキッチンの最重要ツールが「VS Code」という、プロの料理人も愛用する高機能なまな板と包丁のセットのようなものです。

2. どうやったの?

私はGeminiに「自分のPCで開発したい。VS Codeの入れ方から教えて」と頼み、指示されるがままに「ターミナル」と呼ばれる黒い画面にコマンド(呪文)を入力しました。エラーが出たら、そのエラーメッセージを丸ごとコピーしてGeminiに貼り付け、「こう言われました。どうすればいいですか?」と繰り返し尋ねる、泥臭い対話をひたすら続けました。

3. 読者の皆様へ

「黒い画面」や「VS Code」と聞くとプログラマー専用に見えますが、恐れることはありません。AIに「超初心者向けに、次は何のボタンを押せばいいか1歩ずつ教えて」とお願いすれば、手取り足取り教えてくれる優秀な家庭教師になってくれます。まずはVS Codeをダウンロードするところから、一歩踏み出してみませんか?


予告:技術の壁を越えた先にある「虚無感」

こうして、なんとかローカル環境を立ち上げ、デプロイのコストも抑えながら、「AI占いサイト」を自分の手でコントロールできるようになりました。

しかし、技術的な壁を一つ乗り越えたこの時、私の中にふと、ある「虚無感」のようなものがよぎったのです。

「私は一体、誰のためにこのサイトを作っているんだろう?」

技術に振り回されるフェーズが終わり、いよいよ「コンテンツの真価」が問われる残酷なフェーズへ。次回、【第7話】誰も来ない遊園地と、突きつけられた現実。お楽しみに!

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